Arcoodaの32インチ液晶モニターについて(購入後の雑感)

VEWLIX筐体にポン付けできる液晶モニター

アーケード筐体の交換用液晶モニターを多数展開している、Arcooda社のVEWLIX筐体に搭載できる32インチ液晶モニターセットを購入しましたので、簡単に紹介したいと思います。

32 inch Arcooda LCD Monitor 15khz 25khz 31khz to 1080P with Complete Metal Frame

価格は495ドルと高価ですが、取り付けフレーム(モニター外枠の分厚いフレーム)やガラスパネルもセットになっているため、VEWLIXからモニターを一式を取り外し、新たにこのモニターセットを取り付けるだけで交換が完了するという手軽さが魅力です。

また、15khz、24khz、31khzの映像がそのまま映るので、モニターに映像を出すだけならばアップスキャンコンバーターが不要なこと、応答速度が1.3msで早いという大きなメリットがあります。

機能・特徴

到着時の様子

大き目のダンボールで自宅に到着しました。製品ページによると発送重量は22kgらしく、実際受け取った時にも中々の重さを感じました。掛かった関税は約8,000円でした(こっちのほうが重い!)。

ダンボールは方々を金具で固定されていたため、ダンボールの分解が大変です。ご注意を。

なお、モニターのフレームへの組み込み等は不要でした。最初から全て組み上げられており、フレームにガラスパネルとモニターが収まっています。

筐体に取り付ける

この段階で落とし穴がありました。取り付け自体は付属のM6ネジを4個使うだけなのですが、そのまま取り付けようとすると、奥行が足りず手前に隙間ができてしまいます。

そこで、M6×10+8mmのスタンドオフスペーサー*を間に噛ませたところ、隙間が埋まって見た目に違和感がなくなりました。モニターのネジ受け側にスタンドオフスペーサーを先に取り付けておいてモニターを筐体に配置、背面から位置合わせしてM6ネジをドライバーで締めました。簡単!

*PCのマザーボードをケースに固定する時に使うスペーサー(長さは違うので注意)

同サイズの通常スペーサーでも代用できますが、スタンドオフスペーサーと違い、ただ間に挟むだけとなるため取り付けが非常に困難です。スタンドオフスペーサーを強く推奨します。

HDMIケーブルや電源ケーブルといった各種ケーブルは事前に取り付けておくほうが良いでしょう。モニターを設置後にも背面からアクセスできますが、差込口が見えないがために取り付けが非常に困難です。特にVGAケーブルの取り付けは至難の業だと思います。

RGBをVGAに変換する基板も付属しますが、この基板を使いたい場合、モニター裏の左右どちらかに固定できるようになっています。これに関してはモニター設置前にネジ止めする形式のため、筐体に設置後の後付けは不可能です。管理人は取り付けはしましたが、結局使用していません。

使用感

Nintendo Switch 2やOSSC Proを介したアーケード基板で遊んでいますが、明るさや色調整を触っていないにも関わらず、発色がかなり綺麗だと感じています。応答速度が早いおかげか遅延は全く感じていません。VEWLIXダイヤの標準モニターと違って冷却ファンがないので、動作音は無音です。

15Khzや24Khzでの接続は試していません(土下座)。このページを見た人は「それが一番知りたいんだよバカモン!」と思っていることでしょう。本当にスミマセン…。

一応理由はあって、OSSC Proを最近買ったのでそれを使い倒したい、プレイと同時にキャプチャーも行うためOSSC Proを介した映像を分配するほうが簡単、あくまで15khzや24khzの映像が映るだけで、スキャンラインを設定することができないため、結局OSSC Pro等が必要といった事情があります。

VEWLIXダイヤの基板収納スペースが自分の想定よりも狭く、NAC SPLITFIREを挟むのが厳しいといった切実な理由もあるんです。お許しを。

というわけで、使用感は中々のものです。現時点で大きな不満はありません。とはいえ、なせ?と感じる点もありますので、次の項目で列挙してみます。

気になったところ

音声出力ができないのが地味に痛い

このページ上部に製品ページのリンクを貼っていますが、製品ページにはスピーカー(アンプ)への音声出力が可能との記載があるにも関わらず、管理人の環境では全く音声が出力されませんでした。

「え?このモニターってスピーカーないの?」と思った方もいるかもしれませんが、Arcooda社が展開している自前のアーケード筐体やVEWLIX筐体に取り付けることが前提のモデルのため、スピーカーはそもそも搭載していません。筐体に搭載してあるスピーカーから音を出せばいいですからね。

ところが、モニターからのスピーカー出力が機能していない。うーん、困ったとなるわけです。

この問題は、2022年にRetroRGBでも指摘されていた*のですが、まさか旧モデルから改善されていないとは驚きました(管理人の個体の初期不良という可能性もあります。早とちり?)。

*Arcooda 32″ Gaming Monitor Review

幸い、管理人はHDMIのスプリッターから音声を切り離して出力できる環境のため、そこから接続することで筐体のスピーカーから音声を出すことができています。奇しくもRetroRGBが提案していた対処方法と同様の解決策に至りました(というか、それ以外に簡単な対処方法はあるのか!?)。

この件はメーカーに問い合わせする予定です。進展があり次第追記予定。

あとがき

その使い方なら、PC用ゲーミングモニターをVEWLIXに載せれば遥かに安上がりだったのでは?と言われそうですが…はい、その通りです。

言い訳すると、筐体を買った時点でモニターを外して発送してもらっていたので、元々のモニターフレームを使ってあの手この手でPCモニターを固定するという手段は取れなかったんですよ。それに遮二無二ぶつかってチャレンジするより、最初から簡単に交換できるほうがいいと思っていましたからね。

管理人としては後悔していないので、これで良かったとは思っています。手間が掛かっても安くあげるか、高価でもラクしたいか、予算に応じて選択してみてください。

参考リンク

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